そんな情報開示に意味があるのか?

昨日、本日と農学部の「食の安全を担う科学研究の新たな展開」というシンポジウム開催.昨日はBSEノロウイルスで出席せず.本日は食物アレルギー、トレーサビリティ、水産物の品質管理だったので、最初の2つだけ聞いてきました.
アレルギーについては、医者の現状報告や食物アレルゲンの検出法、低アレルゲンの開発、腸内でのアレルギー誘導機構の研究など非常に面白い報告でした.乳酸菌、茶葉等によるアレルギーの誘導が抑制されるという経口免疫寛容にはへぇ〜と思いました.
えーと、トレーサビリティとは製品の生産から流通段階を追跡可能なことを指します.今回は農作物に関するトレーサビリティーについて.元々はBSEが発端となり、約2年で急整備されたもののようですが、今ではかなりシステムも整い、基準違反や食中毒が起こった時でも即座に対応をとることができるようになっているようです.
ところでリスクコミュニケーションを目的にトレーサビリティーを利用して消費者に情報を提供する際、どれだけの情報をどれだけの負担があれば受容されうるかと言う調査の紹介もされていました.主に農薬使用履歴、生産地生産者情報、流通情報についてどのような情報の提示なら利用されるかという意識調査で、例えばバーコードを携帯で読み取り、詳細な情報を提供すること、それに対して消費者はどの程度の費用と手間なら惜しまないかということのアンケートしていました.
大変疑問に感じたのは情報に対する説明なしにそういった情報を提供することに果たして意味があるのかということでした.生産地情報も例えば故郷の愛知県産野菜を選ぶ等の意味はあるかもしれませんが、生産者の名前と顔写真を載せることに一体どの程度の意味があるのか、また農薬の使用法、安全性に対する説明もなしに農薬の名前情報だけ提供することは却って混乱を招くのではないかと思います.情報提供自体は必要だと思いますが、なんのために情報を提供するのかではなく、情報提供自体が目的化し、実際を考えず、ただやみくもに提供技術の向上を目的にしているきらいがあることを感じました.まあ売り手としても情報提供してますよ、というのがセールスポイントになるってだけなんだろうな、、、、、