輸血ドーピング検出法

WADAのサイトを探しても見つからなかったが、Wikipediaに書いてあった.Wikipediaだし、引用元も書いてないのでなのでこれが絶対とは言い切れませんが、参考までに.
http://en.wikipedia.org/wiki/Blood_doping
なぜ冷凍してはいけないかということで昔こんなこと書いてましたが、やっぱり赤血球のまま見る方法でした.
・現在採用されている方法
FACSを使って赤血球を分別する方法です.FACSは細胞ひとつずつを形、光に対する応答等で分別する方法です.この場合は赤血球に対して特異的なプローブをつけ、そのプローブで本人か他人のものかを識別しているようです.赤血球が損傷しないよう、冷凍しないようにと言うことだと思います(アジ化ナトリウムでも入れておけば冷蔵でも腐らない).
ただし個体を識別できるプローブをどうやってつくるのかは書いていない(←元文献見つけた).
・自己輸血を判別する方法
現在のところ自己輸血を判別する完全な方法はないようですし(当然DNAでは判別できない)、開発しても検査逃れを防ぐために方法は公開しない方針のようです.
ただこの方法らしいというのはあって、それが赤血球の"古さ"を測定するものです.赤血球中には2,3-bisphosphoglycerate (2,3-BPG)という物質があり、これは赤血球生成後に徐々に減少して行きます.この2,3-BPG量を測定することにより赤血球の古さが分かります.もし輸血していないのなら赤血球中の2,3-BPG量はある一定の分布を示しますが、輸血血液の場合保存中に2,3-BPGが拡散してしまうため、低量の2,3-BPGしか含まない赤血球が多く観察されるというわけです.


えーと、冷凍すると氷核ができて細胞膜が傷ついてしまうのは事実ですが、グリセリンやDMSOを入れることによりそれを防ぐことができるので(かなり古い技術)、冷凍したって問題ないと思います.アテネのハミルトンのケースはそういった凍結保護剤を入れていなかっただけの話かもしれません.
いくつか文献をあたってみたところ異系赤血球を検出にDNAを用いることもあるようです.もっとも手間と費用がかかりすぎるため、それほど用いられていないかもしれません.適当なプローブを用いてFACSするだけなら(2,3-BPGを検量する分子プローブもあるかもしれない)さして手間も費用もかからないはず.